2015年09月26日
裏剱縦走(室堂~池の平~欅平)④

日程:2015年9月19日~22日(3泊4日)
天候:晴→晴→晴→晴




▲剱沢キャンプ場(つるぎさわ)
標高:2,520m
(富山県)
(地理院地図はこちら)
▲池の平小屋(いけのだいらごや)
標高:2,040m
(地理院地図はこちら)
▲阿曽原温泉(あぞはらおんせん)
標高:860m
(地理院地図はこちら)
<ルート>
1日目:◎室堂 ~ 雷鳥沢 ~ 新室堂乗越 ~ 剱御前小舎 ~ ▲剱沢キャンプ場
2日目:▲剱沢キャンプ場 ~ 剱沢雪渓 ~ 真砂沢ロッジ ~ 二股吊橋 ~ ▲池の平小屋
3日目:▲池の平小屋 ~ 仙人池ヒュッテ ~ 仙人温泉小屋 ~ 仙人ダム ~ ▲阿曽原温泉
4日目:▲阿曽原温泉 ~ 水平歩道 ~ ◎欅平
<関連記事>
2012年9月15日 剱岳-登山
<その1> <その2> <その3からの続き>
◎11:30 室堂 ~ 12:10 雷鳥沢 ~ 新室堂乗越 ~ 14:05 剱御前小舎 ~ ▲14:45 剱沢キャンプ場





山入り2日目も運よく晴天に見舞われた。
今日は裏剱、池の平へ向かう。
急登の仙人新道の登り返しは気合を入れて頑張ろう!
▲6:00 剱沢キャンプ場出発
剱沢雪渓を下る前に剣沢野営管理所にて今日のルートのアドバイスを得る。
先日、同じルートを歩いた八兵衛さんからも、ここで情報を得ることをお勧めされていた。
その通り、小屋の方から詳しくポイントを教えて頂けた。

正面にはドンと剱岳が聳える。
見れば見る程登りたくなるけど...今回は登らない。
逆に剱沢雪渓を下って、あの裏方面へと回って行くのである。



キャンプ場から5分程、剣沢小屋へ下りてきた。
剱沢テン場でビールを飲むのならここまで買いに下りて来よう。
で、一応ここで記念撮影を済ませる。
さて、沢沿いの登山道を慎重に下って行く。


直ぐに雪渓が見えてくる。
日本三大雪渓の剱沢雪渓。
針ノ木雪渓、白馬大雪渓に次いで、これにて三大雪渓の全てを歩くことになる。

他の登山者の方々がここでアイゼンを装着していた。
我々も軽アイゼン(6本)を早速装着する。
朝はスプーンカットの雪渓表面が硬くて滑り易い。
やはり軽アイゼンはあった方がよいだろう。



1m程の大きな落石を横目に剱沢雪渓を下っていく。
特に危険個所はなさそうだ。
管理所で聞いたアドバイス通りにしばらくこの雪渓を歩いた。

左手に大きな雪渓の谷が見えてきた。
<平蔵谷>

2名の方がアタックしている。
このまま平蔵谷を登れば剱岳のタテバイ付近に辿り着くのだろう。
我々は下る一方。
S氏は雪渓が柔らかいとみてアイゼンを外し、更にスピードアップして下って行った。
<剱沢雪渓を振り返る>

更に下って再び左手に長次郎谷が見えてきた。
何人かが長次郎谷のアタックに備えていた。
この雪渓の上部はどうなっているのか?
一般登山者では登れない、かなり険しい岩場なのだろう。
<長次郎谷>

剱沢雪渓はこのまま下っていくと滝になっているという。
その滝になる手前左側に夏道が存在する。
小屋でのアドバイスでは真砂沢ロッジへ水を引く為の黒いホースが見えると言われていた。
ちょうどその付近でアイゼンを外している方が見えたので雪渓出口は迷うことなかった。

雪渓の出口付近は凍っていて滑り易かったので要注意。
今度はアイゼンを外して夏道を下る。
次第に真砂沢ロッジのテン場にいくつかのテントが張られているのが見えてきた。


ロッジ手前も少し雪渓を歩くのだが、ここの雪渓も大きく崩落していた。
その崩落した雪渓の下にロープで下りて行く方がいた。
捜索をしているように見えた...
▲7:45 真砂沢ロッジ
さて、ここでザックを下して少し休憩しよう。
いつもの通り、どら焼きを食べることにする。
それと、ロッジの外にあるトイレを利用させて頂いた。



また、トイレに寄った際にロッジにあるお風呂も少しだけ見させて頂いた。
さて、ここまでは順調に降りてきた。
しかし、この先の雪渓が不安定との情報である。
先行者達は、その雪渓上を歩いて行ったようだ。
我々は小屋でのアドバイスに従って巻道を歩いて行くことにした。
雪渓を左から右へ横断し、右側の崖に通る「黒部ダム行き」の登山道を攀じ登った。

この道、結構面倒な道だった。
まあ、急がば回れ、安全第一だなと...




巻道を30分程度歩き、再び剱沢へと戻って来た。
剱沢の増水時にもこの巻道を利用するようだな。
尚、この巻道は地理院地図には書かれていない。
さて、剣沢を右から左へと横断する。
その手段は細くて不安定な橋だった...
先ずは1本目。
木の上にアルミ板も敷かれているのだが、何と言っても細いのね...
ここは相当慎重になったなぁ。

続いて2本目。
こちらはアルミ板無し。
これもゆっくりと慎重に通過...

最後の3本目。
ロープが弛んでいて頼りない。
一気に行ってしまおう。

ということで3人とも無事通過。
後続の1人も無事通過してきた。
まあ、こういう場所も面白味があってイイね。
その先は剱沢の左岸にそって下って行く。
増水時に備えた登山道の造りか、ちょっと高いところへ上ったり、梯子で下ったり。
微妙に疲れる場所だった。


▲9:20 二股吊橋
こちらはとても立派な吊橋である。
1人ずつ渡るように書かれていたのでそれに従う。

吊橋を渡り切ったところで休憩を入れた。
結構、気温が上昇していたような気がする。
標高もここでは1,600m程と、剣沢のテン場(2,500m程)からかなり下って来た。
9月下旬にしては暑かった...
で、今度は仙人新道の登り返しが待っている。
今度は標高2,100m付近まで、この暑さとザックの重さに疲れ果てながら登る...

急登の途中に水場があったが流用は僅かだった。

途中、剱沢上をヘリが飛んでいた。
十字峡から真砂沢まで、8月の行方不明者の捜索のために飛んで来たらしい。
真砂沢付近の雪渓にロープで下りていた方も、同じ方の捜索の為だろうと思った。
急登にはミヤマママコナが多く咲いていてそれは綺麗だった。
仙人新道=ママコナ急登とでも言いたいくらいだな。




急登の中間地点に休憩向けのベンチが設置されていた。
ここで休憩を挟む。
このベンチから眺める景色は見応えあり。
小窓雪渓が上部まで続く。

剱岳、八ツ峰、チンネ方面は迫力ありだ。

さて、仙人新道の残り半分を頑張って登るか...



登るに連れて疲れは溜まるものの、そこの紅葉が見事になってきた。
景色だけが何よりの救いか。

<池平山>(2,555m)

やす氏もS氏も足が攣りそうと言っていたな。
自分はそんなときの為にカリカリ梅を持って来ていた。
攣りそうな時はNaclの他にカリウムも摂れるこれがイイみたい。
▲11:45 池の平分岐
急登を登り切って一安心。
ここから池の平小屋まで、残り30分は平坦なのだろうと勝手に思い込んでいた。
池の「平」というくらいだからな...

池の平小屋へ向かって木道を進む。

すれ違った方に訊くと、まだまだ「平」じゃないらしい。
結構険しい下り坂とのことだった。
まあ、後は下りだから我慢しようと。
遠くに湿地帯、「平の池」が見えてきた。

そして小屋も見えてくる。
テン場のスペースもまだまだ大丈夫だなと。
エアマットが無いから、少しでもフラットな場所を確保しようと必死である。

▲12:20 池の平小屋
裏剱の奥地、池の平小屋へ到着。
お疲れさんでした。
S氏ややす氏は真っ先に飲み物を買いに行った様子。

自分は真っ先にテントの設営場所を確保しにテン場へ向かった...

<その5へ続く>
剱沢雪渓を下る前に剣沢野営管理所にて今日のルートのアドバイスを得る。
先日、同じルートを歩いた八兵衛さんからも、ここで情報を得ることをお勧めされていた。
その通り、小屋の方から詳しくポイントを教えて頂けた。

正面にはドンと剱岳が聳える。
見れば見る程登りたくなるけど...今回は登らない。
逆に剱沢雪渓を下って、あの裏方面へと回って行くのである。



キャンプ場から5分程、剣沢小屋へ下りてきた。
剱沢テン場でビールを飲むのならここまで買いに下りて来よう。
で、一応ここで記念撮影を済ませる。
さて、沢沿いの登山道を慎重に下って行く。


直ぐに雪渓が見えてくる。
日本三大雪渓の剱沢雪渓。
針ノ木雪渓、白馬大雪渓に次いで、これにて三大雪渓の全てを歩くことになる。

他の登山者の方々がここでアイゼンを装着していた。
我々も軽アイゼン(6本)を早速装着する。
朝はスプーンカットの雪渓表面が硬くて滑り易い。
やはり軽アイゼンはあった方がよいだろう。



1m程の大きな落石を横目に剱沢雪渓を下っていく。
特に危険個所はなさそうだ。
管理所で聞いたアドバイス通りにしばらくこの雪渓を歩いた。

左手に大きな雪渓の谷が見えてきた。
<平蔵谷>

2名の方がアタックしている。
このまま平蔵谷を登れば剱岳のタテバイ付近に辿り着くのだろう。
我々は下る一方。
S氏は雪渓が柔らかいとみてアイゼンを外し、更にスピードアップして下って行った。
<剱沢雪渓を振り返る>

更に下って再び左手に長次郎谷が見えてきた。
何人かが長次郎谷のアタックに備えていた。
この雪渓の上部はどうなっているのか?
一般登山者では登れない、かなり険しい岩場なのだろう。
<長次郎谷>

剱沢雪渓はこのまま下っていくと滝になっているという。
その滝になる手前左側に夏道が存在する。
小屋でのアドバイスでは真砂沢ロッジへ水を引く為の黒いホースが見えると言われていた。
ちょうどその付近でアイゼンを外している方が見えたので雪渓出口は迷うことなかった。

雪渓の出口付近は凍っていて滑り易かったので要注意。
今度はアイゼンを外して夏道を下る。
次第に真砂沢ロッジのテン場にいくつかのテントが張られているのが見えてきた。


ロッジ手前も少し雪渓を歩くのだが、ここの雪渓も大きく崩落していた。
その崩落した雪渓の下にロープで下りて行く方がいた。
捜索をしているように見えた...
▲7:45 真砂沢ロッジ
さて、ここでザックを下して少し休憩しよう。
いつもの通り、どら焼きを食べることにする。
それと、ロッジの外にあるトイレを利用させて頂いた。



また、トイレに寄った際にロッジにあるお風呂も少しだけ見させて頂いた。
さて、ここまでは順調に降りてきた。
しかし、この先の雪渓が不安定との情報である。
先行者達は、その雪渓上を歩いて行ったようだ。
我々は小屋でのアドバイスに従って巻道を歩いて行くことにした。
雪渓を左から右へ横断し、右側の崖に通る「黒部ダム行き」の登山道を攀じ登った。

この道、結構面倒な道だった。
まあ、急がば回れ、安全第一だなと...




巻道を30分程度歩き、再び剱沢へと戻って来た。
剱沢の増水時にもこの巻道を利用するようだな。
尚、この巻道は地理院地図には書かれていない。
さて、剣沢を右から左へと横断する。
その手段は細くて不安定な橋だった...
先ずは1本目。
木の上にアルミ板も敷かれているのだが、何と言っても細いのね...
ここは相当慎重になったなぁ。

続いて2本目。
こちらはアルミ板無し。
これもゆっくりと慎重に通過...

最後の3本目。
ロープが弛んでいて頼りない。
一気に行ってしまおう。

ということで3人とも無事通過。
後続の1人も無事通過してきた。
まあ、こういう場所も面白味があってイイね。
その先は剱沢の左岸にそって下って行く。
増水時に備えた登山道の造りか、ちょっと高いところへ上ったり、梯子で下ったり。
微妙に疲れる場所だった。


▲9:20 二股吊橋
こちらはとても立派な吊橋である。
1人ずつ渡るように書かれていたのでそれに従う。

吊橋を渡り切ったところで休憩を入れた。
結構、気温が上昇していたような気がする。
標高もここでは1,600m程と、剣沢のテン場(2,500m程)からかなり下って来た。
9月下旬にしては暑かった...
で、今度は仙人新道の登り返しが待っている。
今度は標高2,100m付近まで、この暑さとザックの重さに疲れ果てながら登る...

急登の途中に水場があったが流用は僅かだった。

途中、剱沢上をヘリが飛んでいた。
十字峡から真砂沢まで、8月の行方不明者の捜索のために飛んで来たらしい。
真砂沢付近の雪渓にロープで下りていた方も、同じ方の捜索の為だろうと思った。
急登にはミヤマママコナが多く咲いていてそれは綺麗だった。
仙人新道=ママコナ急登とでも言いたいくらいだな。




急登の中間地点に休憩向けのベンチが設置されていた。
ここで休憩を挟む。
このベンチから眺める景色は見応えあり。
小窓雪渓が上部まで続く。

剱岳、八ツ峰、チンネ方面は迫力ありだ。

さて、仙人新道の残り半分を頑張って登るか...



登るに連れて疲れは溜まるものの、そこの紅葉が見事になってきた。
景色だけが何よりの救いか。

<池平山>(2,555m)

やす氏もS氏も足が攣りそうと言っていたな。
自分はそんなときの為にカリカリ梅を持って来ていた。
攣りそうな時はNaclの他にカリウムも摂れるこれがイイみたい。
▲11:45 池の平分岐
急登を登り切って一安心。
ここから池の平小屋まで、残り30分は平坦なのだろうと勝手に思い込んでいた。
池の「平」というくらいだからな...

池の平小屋へ向かって木道を進む。

すれ違った方に訊くと、まだまだ「平」じゃないらしい。
結構険しい下り坂とのことだった。
まあ、後は下りだから我慢しようと。
遠くに湿地帯、「平の池」が見えてきた。

そして小屋も見えてくる。
テン場のスペースもまだまだ大丈夫だなと。
エアマットが無いから、少しでもフラットな場所を確保しようと必死である。

▲12:20 池の平小屋
裏剱の奥地、池の平小屋へ到着。
お疲れさんでした。
S氏ややす氏は真っ先に飲み物を買いに行った様子。

自分は真っ先にテントの設営場所を確保しにテン場へ向かった...

<その5へ続く>