岩手山-山スキー(ハート沢滑走)①

PALOMON

2014年04月29日 16:14


日程:2014年4月27日(日) 日帰り
天気:晴 

▲岩手山(いわてさん)
 標高:2,038m
 岩手県(滝沢村・八幡平市・雫石町) 
 日本百名山

▼柳沢コース
 (馬返し登山口:650m 標高差:1,388m)

▼ハート沢
 (1,730m~750m スキー滑走)

<ルート>
 馬返し登山口 ~ 一合目 ~ 七合目 ~ 不動平~▲山頂
        ~ 八合目避難小屋 ~ 七合目 ~ ハート沢滑走 ~ 馬返し登山口

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地元岩手県人として、岩手山からのスキー滑走は山スキーの目標としていた。

雪が締まってくる4月上旬にこの計画を実現したかった。
しかし、山スキーのパートナーとなかなか予定が合わず...
計画は延期となっていた。

今期はダメか...

そう思っていたが、本日終にその日がやって来た!

さて、時既に4月下旬。
滑走ルートのハート沢には、雪がどのくらい残っているのか?

朝5時半、滝沢市に到着し目的の山、岩手山を眺める。

天気は晴れ。
これから挑む岩手山の山容は何時になく美しい。


本日の岩手山への登山口は滝沢市にある「馬返し」である。(柳沢ルート)
そして滑走ルートは「ハート沢」としていた。 正式には「小堀沢」というらしい。

ハート沢は雪解けが進むと、その雪形がハート型に見えることから、地元の人はそう呼んでいる。


岩手山からの山スキー滑走情報はまだ少ない。

そんな中、3月の秋田駒ヶ岳の帰りに偶然お会いしたゆうざぇもんさんの山情報も参考にさせて頂いた情報の一つ。
お会いした時に、私が「ハート沢滑走」を目標にしていると語った。
すると、翌週に先行してハート沢を滑走。
その情報をアップしてくれた。 (と、勝手に思っている...笑)

さて、登山口の馬返しまで車道を進むと、その正面にハート沢が近づいてきた。


▲5:50 馬返し駐車場
馬返しの駐車場へ到着した。
まだ4月なのに。 岩手山への登山者はそこそこ居るようだ。

早速、山スキーの準備を開始する。

車からスキー板を下し、ザックの両サイドへ括り付けた。
今日は久しぶりにスキー板を背負う。


ザックにはシールGecko(クライミングスキン)を入れた。

途中から現れるであろう積雪。
雪上はなるべくシールで登ろうと考えていたからだ。

そして、今日の両足にはスキー靴、テクニカ・コーチスライト・プロを履く。
岩手山に対してスキー靴で立ち向かえるか? (一応、兼用靴の部類になる)

一方、相方はシールも持たず、バインディングもアルペン仕様のものだ。
スキー靴は板にセットした状態。 登山靴(ツボ足)での出発である。

▲6:10 登山口出発
昨年9月以来、岩手山への登山に出発。
登山口に設置されているポストへ登山届を提出し、いよいよ出発だ。



初のスキー靴によるアプローチである。

その歩きは若干ぎこちなかった。 (いつも山スキーでは出だしからシール歩行が多い)

まあ、この靴も思ったほど悪くはない。
しかし、脛部分があまり前方へ倒れないので、筋肉は結構疲れそうである。


登山口から5分弱。 最初の下りの斜面を終えた場所である。

ここが今日の滑走ルート「ハート沢」の最終地点?
ここへ無事ゴールとなるのか?

一応、ここまで沢沿いに雪は残っている。


登りでは、その右側から登山道を忠実に登る。

登山道をちょっと登り、ハート沢の最終地点を覗いて見る。
まずまず、雪はありそう?

しかし、砂防ダムで堰き止められている個所もある様だ。 


滑走の心配もしながら、スキー靴でテクテクと登山道を登る。

そして0.5合目へ到着する。
0.5合目から1合目までは登山道が分岐している。
今日はハート沢の見える、旧コースを進んだ。


積雪はなかなか現れない。

桶の淵(こがのふち)と呼ばれる地形を左手に見ながら登山を続ける。


1合目に近づくと、ここで漸く積雪が現れた。

▲6:50 1合目到着
スキーを背負っているせいか、兼用靴での歩きのせいか...
いや、単純に体力が足りないせい。 1合目まででちょっと疲れた...


ここで吸水を済ませる。
他にも後続の2人の登山者の方と会話することができた。

肩の重さを解消すべく、ザックからスキー板を下し、シールを装着した。


板を担いで登った方が楽か、シールで登った方が楽か?

この時点で自分はシール歩行の方が楽だと思っていた。
ここで迷わずシールを貼り、その後はシール歩行開始。


2合目を過ぎてちょっとだけ樹林に入る。
この辺りは登山道が狭く、斜度が少し出てくる場所だ。

そして何と言っても、今日の樹林内は暑かった... (盛岡夏日)

雪はザラメ、表面が大分融けて柔らかい。

となると、シールがさっぱり効かない...
ズルリと下がってしまう... 邪魔な藪の枝を避け、ジグを切って登る。


樹林を抜けると風が当たり、次第に涼しくなってきた。
今日の暑さで、風はとても嬉しい。


しかし、斜面は相変わらず... 腐った雪はツボでもシールでも登り難い。


▲8:00 4合目到着
シール歩行をやめようかと思ったが、もう少しだけ。
シールでネバる...


5合目付近から相方を撮影。 バックの鞍掛山を見下ろした。
鞍掛山には、里山の花が多く咲いている頃だろう。


しかし、4合目~5合目の斜度にはマイッタ...

ジグを切って登るも、気を抜くとずり落ちてしまう。
スキーのエッジを斜面に突き刺すようにして斜めに登った。

今日の岩手山。
天気も良いということで登山者はそこそこ居た。 (20人以上は登ったであろう。)
4月の残雪期なのに、岩手山にこんなに登山者が居るとは予想外だった。


その中で、スキーを履いているのは自分だけだった。

尚も懲りずにシールで登る。
そんな訳で、ここで大分体力を消耗した...


6合目付近から、旧道と新道の間の谷に入ってみた。
シールならこっちの斜面の方が登りやすいかなと...



しかし、途中で谷から登るのを断念する。 (登り難い状況は変わらず)

雪にエッジを刺すようにして登っていたら、エッジ部分からシールが剥がれて捲れてしまった...
しょうがないので左の尾根へと戻ろう。

遠くに6合目のあの岩(キケンが逆さに書かれた岩)が見えていた。


ここでスキーをザックに括り付け、ツボでの登りに切り替える。

シール失敗...
板を担いで登ったら、意外と楽だった...
まあ、これも経験。 失敗・経験は次への教訓とする。


▲9:30 7合目付近
苦労して7合目付近へとやってきた。
そしてお鉢が見えてくると、失いかけていた元気が甦ってくる。


元気になるのも当然。 これで急斜面が終わったからだ。

またシールを貼ろうかな? 
なんて思ったが、お鉢前の斜面は見るからに雪も無いし、そのままツボで歩く。
ザックから板を下すのも面倒だなと。


▲9:40 8合目小屋付近
休憩を摂るも、8合目小屋へは立ち寄らなかった。
小屋の裏側から山頂方面へと直登する。


今日はハート沢の滑走だけが目的ではない。

ここまで来たらもちろん、山頂にも立ちたい訳である。
それと、山頂斜面に雪があれば、噴火口へ向かって滑走してみたかった。

そんな訳で、スキーを背負ったまま山頂を目指す。

すると、ここから山頂までは、とても素晴らしい景色が待っていた。
霞みがかっていた空だが、十分景色を楽しみながら登ることが出来た。


(その2へ続く)


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