八幡平-山スキー

PALOMON

2017年02月07日 00:23


日程:2017年02月05日(日) 日帰り
天候:曇/晴 /

▲八幡平(はちまんたい)
 標高:1,613.3m
 岩手県(八幡平市)
 秋田県(仙北市・鹿角市) 
 日本百名山
 (地理院地図はこちら)

▲茶臼岳(ちゃうすだけ)
 標高:1,578.3m

▲源太森(げんたもり)
 標高:1,595m

<ルート>
 ◎御在所 ~ 茶臼山荘 ~ 黒谷地湿原 ~ ▲源太森 ~ 陵雲荘 ~ ▲八幡平山頂
  (ピストン)


<関連記事>
2016年02月11日 八幡平-山スキー(岩手 茶臼岳経由)
2015年02月21日 八幡平-山スキー(岩手 茶臼岳経由)
2014年02月23日 八幡平-山スキー(岩手 茶臼岳経由)
2012年01月29日 八幡平-山スキー(秋田 八幡平スキー場より)
2011年02月26日 八幡平-山スキー(岩手 八幡平スキー場跡より)


毎年この時期の恒例山行となっているのが樹氷の鑑賞を目的とした八幡平山行だ。
しかし、今年も降雪が不足しており樹氷の出来栄えに関してはあまり期待していなかった。
「行ってみなければ分からない。」
「思っていただけでは何も語れない。」
今年の八幡平山行もタラさんをリーダーとする山岳協会のパーティへ参加させて頂いた。
山協メンバー3名の中に私とタラさんの山弟子であるぴかりんさんが加わり5名のパーティが組まれた。
私以外は4名とも県山協メンバーね。(ぴかりんさん、RCCへ入会したんだぁ。)

タラさんとの山行は昨年6月以来と久しぶりだったが、SNSで繋がっているお蔭で久しぶり感が全くなかった。
「お久しぶりです」とか「今年もよろしくお願いします」とか、するべき挨拶すら忘れてしまったな...

積雪期の八幡平山行で岩手県側の起点となるのは八幡平スキー場の跡地に当たる「御在所」という場所だ。
御在所までの車道(アスピーテライン)には除雪が入り、駐車場とトイレ施設も利用可能である。
そのトイレ施設内にはちょっとしたスペースがあり、ベンチが備わっているほか暖房も入っている。
ここでスキー靴に履き替えるなど、準備においてもいつも有り難く利用させて頂いている。

今回はタラさんの山岳会からお借りしたビーコンをウェア内部に装備した。
まあ、埋まらない行程を踏むことこそが第一...

さて、当日は前日の天気予報からは予想できないほど穏やかな朝を迎えていた。
青空は見られないものの、山に入っても風はなく遠方の景色もクリアだった。
ただし、積雪不足だけは否めないな。




▲07:40 御在所
駐車場付近は広範囲にアスファルトが露出していた。
シール歩行である我々は足元に積雪を求めて路側沿いを出発する。
そして、車道(アスピーテライン)の除雪最終地点である通行止ゲートを越えた。



第一の目的地である茶臼山荘までのルートにはいつもどおり恵比寿沢沿いを使う。
恵比寿沢は埋まり切れていないため、車道上の橋を渡ってから右手に取りつく。




沢沿いには多少藪が出ていたものの、上り下り共に通行には支障がない程度だった。
しかし、ルート左側斜面よりデブリが見られた。
このルートは状況に応じて回避することも考えよう。




その後は前山の尾根へと取りつく。
尾根上の雪は硬めであり斜面によってはシールが若干スリップする。
しかし昨年の様なラッセルが無いため登高ペースは悪くない。
順調に高度を上げていった。



そのうち茶臼岳が近づいてきた。
その白く急峻な斜面は山スキーヤーの滑走意欲を引き立てる。




茶臼岳直下の東斜面トラバースについてはルートをどうとるか話し合われた。
今回はピークまで尾根上を登り詰めることにする。



タラさんが先導し山頂付近から茶臼山荘へ向かってシールのまま滑り下りる。
(せっかくだが茶臼岳ピークハントは無しね...)




▲09:50 茶臼山荘
2時間10分と、まずまずのペースでここまでやってきた。
茶臼山荘の周囲には地面が露出していた。
一息ついていつものおやつ、回進堂どら焼き(リンゴ)を食べる。



先が長いため、短時間でエネルギー補給を済ませその次へと工程を繋げる。
茶臼山荘の裏側から藪をかき分け夏道沿いに出発。
黒谷地湿原へ向かいシールのまま緩斜面を下った。



黒谷地湿原へ下っている途中から景色に明るさが増し時より陽が射すこともあった。
遠方には次なるピークである源太森が良く見えてきた。



源太森付近、意外と樹林が白いのでは?
此処へ来て(あまり期待していなかった)樹氷の出来栄えについても期待が膨らんできた。


▲10:30 黒谷地湿原
黒谷地湿原が茶臼山荘と源太森の中間鞍部に当たる。
ここからの登り返しは若干のラッセルとなる。



昨年はラッセルに非常に苦労した。
そしてラッセルに夢中になり源太森ピークへのルートを外してしまったな...

これまで先導してくれたタラさんと入れ替わり先頭へ出てみる。
すると割と浅めの靴ラッセルだ。




このくらいなら体力もそれ程使わなくて済むだろう。
また、薄らと前日のスキー跡が見えていた。



お陰で問題なく源太森へと向かうことができた。





▲11:20 源太森
平らな地形の八幡平故に小ピークである源太森でも360℃のパノラマだ。
何度来てもここは素晴らしい眺めだ。



しかも天候も安定している。
岩手山だけは顔を出してくれないか...

さて、長居せずに源太森から樹氷原へと下り始める。
ここから更に冬季の八幡平の絶景が映し出される。




写真を撮りまくりながら次の目的地の稜雲荘を目指した。




▲11:45 稜雲荘
やはりここも積雪が少ないな。
さて、稜雲荘へは立ち寄らずに先ずは八幡平山頂へ向かおう。




稜雲荘を越えて丘へ上がっていくとますます樹氷の出来栄えは上質になっていった。



それでも樹氷は小ぶりか。
しかし、期待していた以上だ。
モンスターと言えよう。




▲12:05 八幡平山頂
そして八幡平山頂へ登頂。お疲れさんでした。



風もなく天候も安定していたため、ここ山頂にてランチタイムとする。
この絶景を眺めながらランチとは(今日の私の食糧に寄らず)贅沢なものだ...

皆さんが食べるカップラーメン、暖かい物がとても美味そうだ。
最近の自分は雪山山行では面倒がってパンのみね...

そんな中、今まで見えなかった岩手山がようやく顔を出してくれた。
待望の景色がこちら。




この景色を期待していた。
今日の八幡平は我々の期待を裏切ることはなかった。


とても静かな山頂だったな。
今日は秋田県側からスノーシューで登って来られた単独の方と出会ったのみだ。
さて、満足いくランチタイムを終えそろそろと帰路へ着く。




元来たトレースを辿って茶臼山荘まではシールのままピストンした。


▲13:35 黒谷地湿原
さて、ここから茶臼山荘までが面倒な登り返しだ。
緩斜面なのだが山行の後半ともなれば疲れもあり...
意外と長く感じ、そして更に疲れが蓄積する場所。




茶臼山荘に向け中盤まで登ったところでスルリと片足のシールがきれいに剥がれ取れた。
こんな剥がれ方は初めてだな...
シールは接着面に付いた雪を板のエッジにこすり付けて落とせば粘着力が回復する。(シールはGecko)
シールを貼り直して再出発した。



茶臼山荘へ到着すると今度は反対側のシールが同じ様に剥がれる。
前日にスキー板にホットワックスを施したばかりだったが、ワックスはシールの接着にも多少影響があるのかなと。


▲14:15 茶臼山荘
ここまで登り返せばもうシールの出番はない。
さっさとシールを畳んでザックへと収納した。

最後の滑走の前に茶臼山荘へ入って休憩をとった。
久しぶりに茶臼山荘の中へ入ったな。




さて、いよいよ滑走だ。
茶臼斜面はなるべく登り返さないようにとトラバース気味に滑走する。
雪面は硬め。最中雪のように沈むこともなくそれ程滑り難くはない。
ちょっと表面にうねりがあったので板をとられないように滑ったかな。




ルート全般的に(慎重に滑れば)それほど危険な箇所は無いだろう。

だが、果敢に行けば飛ぶこともある...(タラさん)
タラさんへはヘルメットをお勧めしておいた。



前山から谷へと下る最後の滑走ポイント。
今日はやや硬めの雪に畝がありちょっと滑り難かったか。
でも、これはこれで楽しかった。



そして無事アスピーテラインへ戻ってきた。
ぴかりんさんも無事生還、おめでとう。


▲15:45 御在所
その頃には天候も崩れ雪が舞っていた。
今日の8時間行程。
ベストな時間帯を楽しめたのではないか。



樹氷に期待していないとか言っていたが...
やはり行ってみないと分からないな。
時間はかかるが、八幡平の樹氷を見る価値、山行全体の達成感は非常に大きい。
最高の山行だった!

今日のルートはこちら。



では、また山で!

(完)





あなたにおススメの記事
関連記事